社員2人との信頼をどう築いたか。お金がない中で自腹を切り続けた話。

どん底編

経営再建において、数字と同じくらい大事だったのが人の話でした。
社員2人との信頼関係をどう築いたか。お金がない中でやったこと、そして絶対に忘れられないエピソードを書きます。


入社初日、社員さんとは完全に初対面だった

入社した時、社員さん2人とは完全に初対面でした。妻の実家の会社とはいえ、自分はよそ者です。突然やってきた新入りが、いきなり経営に関わる。社員さん側からすれば、警戒するのは当然だと思いました。

だから、経営者づらをするつもりは全くなかった。まずは仕事を覚えることに専念して、社員さんに「教えてください」とお願いする姿勢で入りました。(当たり前)

自分より仕事を知っているのは社員さんです。その事実を素直に認めて、教わる側に徹することが信頼構築の第一歩だと思っていました。


お金がない中で自腹を切ってコミュニケーションを取った。

仕事を覚えながら、社員さんとのコミュニケーションにも全力を注ぎました。給料がほぼない状態だったので、手元のお金は本当になかった。でも、そんな中でも自腹を切り続けました。

・自腹で飲み会に誘ってとにかくおしゃべり。

・毎日のように自腹で飲み物を買って、休憩中に一緒におしゃべり。(お手伝いさんが多い日は馬鹿にならない金額)

・仕事の相談をするだけでなく、プライベートな話もするようにした。

貯蓄はみるみる減っていきました。給料がない状態で自腹を切り続けるのは、正直しんどかった。でも、素直に感謝の気持ちと、これはある意味投資だと割り切っていました。社員さんとの信頼関係は、お金では買えない。でも、お金を使うことで時間を短縮できる部分もある。そう考えて続けました。

今思えば、あの時間とお金の投資が、今の会社の土台になっていると思っています。


社員さんの奥様が突然入院してしまった。

入社してしばらく経った頃、社員さんの奥様が入院されました。深刻な状況でした。

この時、自分の判断は迷いなく決まっていました。「仕事のことはいいから、奥様のところに行ってくれ!」と伝えました。有給休暇がどうとか、仕事の穴がどうとか、そういうことは一切言わなかった。

数ヶ月間、その社員さんは奥様の看病をメインにこれる日だけ仕事に来てもらいました。会社としては正直しんどい状況でしたが、それでいいと思っていました。人として、家族を優先するのは当たり前のことです。


奥様が亡くなった。

そして、奥様が亡くなられました。

この時、自分にできることは何かを考えました。悲しみに寄り添うことも大事。でも、ずっと悲しみの中にいてもらうことが本当にいいのかとも思いました。

葬儀が終わった後、社員さんに声をかけました。「とにかく仕事に出て」と。

一見冷たく聞こえるかもしれません。でも、仕事に来て、体を動かして、人と話すことが、気持ちを前に向けるきっかけになると思っていました。家でひとりでいる時間が一番つらい。だから、仕事という場所に来てもらうことが、自分にできる精一杯のことでした。

その社員さんは今も一緒に働いてくれています。あの判断が正しかったかどうかは今でもわかりません。でも、誠実に向き合い続けることしかできなかった。それだけは確かです。


社員との信頼構築で大事にしたこと

社員さんとの関係を振り返ると、特別なことは何もしていません。ただ、一貫して大事にしていたことがあります。

・仕事は教わる側に徹する(最初は経営者づらをしない)

・コミュニケーションにお金と時間を惜しまない

・仕事より人間として大事なことを優先する

・誠実に向き合い続ける

零細企業の経営者にとって、社員との信頼関係は会社の命綱です。2人しかいない社員が動かなくなったら、会社は即終わりです。だからこそ、信頼関係への投資は絶対に惜しまないと決めていました。

お金がない時期に自腹を切り続けたことは、正直しんどかった。でも今振り返れば、あれが一番大事な投資だったと思っています。

次回は、義父(パチンコ社長)との関係をどう保ってきたか。これも経営再建において避けては通れない話です。

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