農業用ハウスのフィルム選び、何を基準に選べばいいかわかりますか?
農業用ハウスのメンテナンスを本業としている立場から、フィルムの種類・厚さ・選び方・よくある失敗を全部解説します。
農業用ハウスのフィルムは大きく2種類
農業用ハウスのフィルムは、大きく分けると2種類あります。
① 硬質フィルム(エフクリーン)
・耐久力:約20年
・主に屋根型のハウスに使用
・耐久力が高い分、価格も高め
② 農PO(農業用ポリオレフィン系フィルム)
・耐久力:厚さによって1〜6年程度
・現在の主流。多くのハウスで使用されている
・厚さと価格のバランスが取りやすい
昔はビニールが一般的でしたが、現在の主流は農POです。今回は現場で一番よく扱う農POについて詳しく解説します。
農POは厚さで耐久力が決まる
農POはメーカーが様々ありますが、特別に性能差はありません。選ぶ上で一番重要なのは厚さです。厚さが耐久力を決めると思ってもらってOKです。
| 厚さ | 目安の耐久力 | こんな方に向いている |
|---|---|---|
| 0.10mm | 1〜2年 | 毎回張り替える方・台風前に剥がす方 |
| 0.13mm | 2〜3年 | コストと耐久力のバランスを取りたい方 |
| 0.15mm | 5〜6年 | 長く使いたい方・最も選ばれる厚さ |
ただし、これはあくまでも目安です。日当たりや風当たりの環境によって耐久力に大きな差が出ます。環境が良い場所では0.15mmでも10年以上破けないお客様もいます。逆に風が強い場所では早めに劣化することもある。
長い目で見ると厚いフィルムの方がお得
フィルムは厚くなるほど耐久力が上がる分、価格も上がります。でも長い目で見ると、厚いフィルムの方が結果的に安い設備投資になることが多い。
0.10mmを2年ごとに張り替え → 10年で5回分のコスト
0.15mmを6年に一度張り替え → 10年で約2回分のコスト
耐久力の高いフィルムを選ぶ方が、トータルコストは安くなりやすい。
ただし目的に応じて選ぶことが大切。作物のために毎回新しいフィルムに張り替えるという方や、台風シーズンに備えて毎年剥がすという方は0.10mmを選ぶ方が多いです。
自分で張り替える場合はフィルムの重さに注意
DIYでフィルムを張り替える場合、厚みと重さの関係を知っておいてほしい。厚いフィルムは重いため、張り替えの際に苦労することがあります。
目安:幅7メートルの農PO(0.15mm)の場合
→ 1メートルあたり約1キロの重さ
幅7メートル × 長さ50メートルのフィルムが必要な場合
→ 約50キロの重さになる
運搬・展開する際にはなかなかの重さになるので、人手を確保してから作業することをおすすめします。
よくある失敗。ハウスが老朽化しているのに耐久力の高いフィルムを選んでしまう
現場でよく見かける失敗がこれです。ハウス本体が老朽化しているのに、耐久力の高いフィルムを選んでしまうケースです。
ハウス本体:老朽化していて弱い
フィルム:耐久力が高くて強い
↓
台風が来た時にフィルムは耐えようとする
→ 弱いハウスの骨ごと押しつぶされやすくなる
ハウスが老朽化している場合は、あえて薄いフィルムを選ぶ方が安全です。
フィルムが風圧に耐えようとした結果、本体が耐えられなくなる。これを防ぐためにも、ハウスの状態に合わせたフィルム選びが大切です。老朽化が激しいハウスには薄いフィルムを選ぶことをおすすめします。
フィルム選びに迷ったら気軽に相談を
まとめると、農POのフィルム選びのポイントはこうなります。
・長く使いたい → 0.15mm(最も選ばれる)
・コストを抑えたい・毎年張り替える → 0.10mm
・ハウスが老朽化している → 薄いフィルムを選ぶ
・自分で張り替える → 重さを確認してから発注する
・環境が良い場所 → 耐久力は目安より長くなることも
農業用ハウスのフィルム選びや張り替えについて、わからないことがあれば気軽にご相談ください。
ハウスの状態やサイズに合わせたフィルムの選び方もアドバイスできます。



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