農業用ハウスのメンテナンスをやってきて、よく聞かれることがあります。「なんでこんなに早く傷むの?」「長持ちさせるにはどうすればいい?」
現場で見てきたことをもとに、農家さんに知っておいてほしいことを書きます。
農業用ハウスが傷む主な原因
農業用ハウスが傷む原因はいくつかあります。順番に説明します。
原因① 年数による自然劣化
まず一番シンプルな原因は、年数が経つことによる自然劣化です。農業用ハウスのフィルムは、紫外線・風雨・温度変化にさらされ続けることで少しずつ劣化していきます。
フィルムの種類や使用環境によって変わりますが、一般的には数年ごとの張り替えが必要になってきます。劣化したフィルムは透明度が落ちて採光に影響が出たり、保温性が下がったりします。作物の生育に直結する話なので、早めの対応が大事です。
原因② 硫黄燻蒸による劣化
地域によっては、病害虫対策で硫黄燻蒸をやっているところがあります。これがフィルムにも金属にも大きなダメージを与えます。
硫黄は腐食性が強い。フィルムが普通より早く劣化するだけでなく、骨組みやビニペットなどの金属部分も腐食が進みやすい。硫黄燻蒸をやっている農家さんのハウスは、同じ年数でも状態が悪いことが多いです。
硫黄燻蒸をやっている農家さんは、通常より早めのメンテナンスサイクルを意識した方がいいと思います。
原因③ 水分が溜まりやすい箇所の腐食
もう一つよく見る原因が、水分による腐食です。水分が溜まりやすい箇所は、どうしても傷みが早くなります。
・パイプハウスの地際部分
→ 地面に接する部分は雨水や結露が溜まりやすい。腐食が進みやすい。
・屋根型ハウスで低くなってしまっている部分
→ 水が寄ってくる箇所。放置すると骨組みが腐食する。
フィルムを張ったままだと気づきにくいけど、張り替えの時に剥がしてみたら骨組みがボロボロだったということはよくある話です。外から見えない部分の劣化が進んでいることが多い。だからフィルムを剥がす機会がある時は、中の状態をしっかり確認することが大事です。
農家さんが自分でできるメンテナンス
「農家さん自身でできることはないか」とよく聞かれます。正直、フィルムを剥がした時しかわからない劣化が多いので、農家さんができることは限られます。
でも一つだけ、ぜひやってほしいことがあります。
天窓のギアのグリスアップを年に1回やること。
これだけでいいです。
天窓が開かなくなるトラブルは、農家さんからの緊急依頼で一番多いものの一つ。ハウス内の温度が上がりまくって、作物にダメージが出るやつです。
天窓が動かなくなる原因の多くは、ギアの油切れや錆びです。年に1回グリスアップしておくだけで、このトラブルがかなり防げます。大変ではあるけど、緊急事態になってから慌てるよりずっといい。
フィルムを剥がす機会は状態確認のチャンス
農業用ハウスは、フィルムを剥がした時にしかわからない劣化が多いです。外から見ると問題なさそうでも、中の骨組みやビニペットが腐食していることがある。
だからフィルムを張り替える機会は、ハウス全体の状態を確認する絶好のチャンスです。
フィルム張り替えの時にチェックしてほしいこと:
・骨組みの錆び・腐食の状態
・ビニペットの劣化状態
・地際部分の腐食
・水が溜まりやすい箇所の状態
問題を早めに見つければ、大きな修繕になる前に対応できます。農業用ハウスのことで気になることがあれば、気軽に相談してもらえればと思います。
次回は、農業副業で実際にかかった初期費用を公開。低投資スタートのリアルな数字を書きます。



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