サラリーマン経験は無駄じゃない。むしろ家業継承のアドバンテージになる。
「この会社、おかしくない?」と気づけたのも、前職の経験があったからこそでした。その話を書きます。
入社当初、会社の状態はカオスだった
家業を継いで最初に直面したのは、会社の根本的な乱れでした。
入社当初の状態:
・部品や工具がどこにあるかわからない
・誰がどこで何をしているかわからない
・マニュアルが存在しない
・整理整頓がされていない
・ルールが明文化されていない
でも、これって中小・零細企業にとっては珍しくない問題かもしれません。長年、同じやり方で続けてきた会社には、こういった状態になりがちです。
ただ、ここで「この状況おかしくない?」と気づけたこと自体が、前職のサラリーマン経験があったからこそだと思っています。
前職で当たり前だったことが、継承先では当たり前じゃなかった
インフラ企業に10年勤めた前職では、こんなことが当たり前でした。
前職(大企業)では当たり前
・5Sは当然のこととして徹底されていた
・遅刻はあってはならない文化
・工具や材料は明確に管理されている
・マニュアルがあって誰でも一定の品質で作業できる
・ルールが明文化されている
継承した会社では
・5Sの概念がなかった
・時間にルーズな文化があった
・工具や材料の場所が不明確
・マニュアルが存在しない
・ルールは暗黙知のみ
この差を「おかしい」と感じられたのは、整備された環境を経験していたからです。逆に言えば、ずっとその環境にいた人には「それが普通」になっているので気づけない。
マニュアルと5Sは経営の財務に直結する
「マニュアルとか5Sとか、別に売上に関係ないんじゃ?」と思う人もいるかもしれません。でも実際は財務に直結します。
マニュアルがある → 属人性が低くなる → 誰でも同じ品質で作業できる
→ 人が変わっても会社が回る → 売却価値が上がる
整理整頓できている → 作業ロスが減る → 部品のロスが減る
→ 無駄なコストが削減される → 利益が残る
この積み上げが、決算書の数字にモロに効いてくる。
大企業がこれらを徹底している理由はそこにあります。一つひとつの作業ロス・部品ロスが積み重なると、大きな損失になるからです。中小・零細企業こそ取り入れていく必要があります。
どんぶり勘定・5Sの蔑ろ・見て覚えろは損失の垂れ流し
逆に、整備されていない状態を放置するとどうなるか。
どんぶり勘定 → コストの無駄がわからない → 削れる固定費も見えない
5Sの蔑ろ → 工具が見つからない → 作業時間のロス → 人件費の無駄
見て覚えろ → 人によって品質がバラバラ → クレームのリスク → 信頼を失う
これらは全部、損失を垂れ流している状態と同じ。
サラリーマン経験がある人はこの状態を見た時に「おかしい」と感じられる。その感覚こそが、継承した会社を改善するための最大の武器になります。
会社員をやめて継ごうか迷っている人へ
このブログを読んでいる方の中には、会社員をやめて家業を継ごうか迷っている方もいると思います。
伝えたいことはシンプルです。サラリーマン経験は、家業継承のアドバンテージになります。
サラリーマン時代に学んだこと:
・ルールを守ることの大切さ
・マニュアルの重要性
・5Sの効果
・整備された環境で働くことの価値
これらは継承した会社を改善する時の、強力な視点になる。
「会社員経験しかないから経営なんてできない」と思う必要はない。むしろその経験が、継承先の会社を良くするための地図になるはずです。



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