ビニールハウスの台風対策。フィルムを剥がすかの判断基準と、台風前にやるべきこと

農業用ハウスメンテナンス編

台風が近づいてくると、ハウスのフィルムを剥がすべきか、残すべきか迷いませんか?
農業用ハウスのメンテナンスを本業にしている立場から、剥がすかどうかの判断基準、台風前にやっておくべきこと、そして実際に現場で見てきた被害を書きます。

この記事の結論

  • フィルムを剥がすかは「台風の強さ・フィルムの種類・劣化具合」の3つで判断する
  • 剥がさないなら、バンドで補強する・巻き上げを全開にする・換気扇で負圧にする、などの対策をする
  • 骨組みが劣化したハウスは、骨組みごとペシャンコに潰されることがある

結論:剥がすかどうかは「台風の強さ・フィルムの種類・劣化具合」で決める

先に結論です。フィルムを剥がすかどうかは、次の3つで判断します。
① 台風の強さ
② フィルムの種類(厚さ)
③ フィルムの劣化具合

どれか一つだけで決めるのではなく、この3つを組み合わせて考えるのがポイントです。

剥がすか、剥がさないかの判断基準

① 台風の強さ
台風がそれほど強くなさそうなら、剥がさないという判断になります。

② フィルムの種類(厚さ)
薄いフィルムを使っていて、もともと毎年張り替える計画なら、台風前に剥がしてしまうのもありです。0.10mmのような薄いフィルムは、もともと「毎回張り替える方」「台風前に剥がす方」に選ばれることが多い厚さです。
→ 農業用ハウスのフィルムの選び方

③ フィルムの劣化具合
フィルムがすでにかなり劣化しているなら、剥がして張り替える計画にしてしまうのがおすすめです。劣化の目安は、フィルムに印字されている文字。文字が薄くなって読めないようなら、いつ破れてもおかしくない状態です。
→ ビニールハウスの張り替え時期は夏がおすすめ

台風前にやっておくべきこと

剥がさないと決めた場合に、台風前にやっておくべきことはこちらです。

① フィルムの上からバンドをして補強する
基本中の基本です。フィルムの上からバンドをかけて補強しておきます。

② 作物がない場合は、巻き上げを全開にして風を通す
ハウスの中に作物がない場合は、あえて巻き上げを全開にして、風を通してしまう農家さんも多いです。風を受け止めるのではなく、逃がすという考え方です。

③ 換気扇がある場合は、締め切って負圧にする
ハウスに換気扇がついているなら、ハウスを締め切って換気扇を回し、ハウス内を負圧にする方法があります。こうするとフィルムが骨組みに密着して、風の影響を受けにくくなります。

台風が近づいてからハウスの上で作業するのは危険です。対策は余裕を持って、早めにやっておいてください。

実際に現場で見た被害:骨組みごとペシャンコ

台風の被害は、現場でたくさん見てきました。中でもよく見るのが、骨組みが劣化していたハウスが、骨組みごとペシャンコに潰されているケースです。主にパイプハウスで見ることが多いです。

フィルムがいくら丈夫でも、それを支える骨組みが弱っていれば耐えられません。老朽化したハウスに耐久力の高いフィルムを張ると、フィルムが風に耐えようとした結果、骨組みごと押しつぶされやすくなる。これはフィルム選びの記事でも書いた通りです。

骨組みの劣化は、外から見ただけではわかりにくいものです。フィルムを張り替えるタイミングで、骨組みの状態もチェックしておくことをおすすめします。
→ 農業用ハウスが傷む原因と対策

台風シーズンの前に、ハウスの状態を確認しておこう

台風対策は、台風が来てから慌ててやるものではありません。フィルムの劣化具合、骨組みの状態、バンドの準備。シーズン前に確認しておくだけで、いざという時の判断が楽になります。

天気を甘く見て痛い目にあった、自分のやらかし話もあります。
→ ハウスのフィルムを剥がした夜にゲリラ豪雨が来た話

台風前の点検や、被害にあったハウスの修理について迷ったら、気軽にご相談ください。

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